台湾最大の祭り 媽祖の巡行
2024 / 5月
「神が栄えるには、人(信者)が必要であり、巡行するには神輿を担ぐ人が必要です」と中央研究院民族研究所兼任研究員の林美容は私たちの取材に語った。台湾では、毎年媽祖の巡行が盛大に行なわれる。今月号のカバーストーリーでは、媽祖の巡行を中心に、そこから派生するさまざまなテーマを扱う。神輿の工芸、文化と食が集まる廟前広場、巡行や巡礼の現場、そしてさまざまな結縁品などだ。台湾で年に一度の一大宗教イベントにぜひ触れていただきたい。
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カバーストーリー
台湾の巡礼の道
――媽祖の祭典
毎年3~4月にかけて行なわれる「迎(迓)媽祖」は、台湾で最もにぎやかな伝統の祭りである。8日間、9日間と長い時間をかけて人々は台湾一の女神である媽祖様とともに巡礼の道を歩む。その道は人と神......
神々の「移動する城」
神轎と「神の足」
ご神体を乗せる神輿である「神轎」は、敬虔な信徒たちからの寄付を受け、職人たちが丹精を込めて作り上げた神の威厳の象徴だ。 神々の巡行中、各地で出会う神、神轎、担ぎ手、信徒が、感動的な宗教の旅......
廟前広場の今昔
古跡・芝居・屋台料理
住民たちの信仰や交流の場であり、名匠たちによる巧みな工芸や、わくわくする芝居も見られる場所として、「廟埕」には長い年月人々が往来し、各世代の記憶を紡いできた。......
人と人、人と神とを結ぶ
「結縁品」の始まりと広がり、 そしてその意味
媽祖像の後に続く進香の隊列は大通りから小さな路地までその歩みを進める。100キロを超える進香の道中、力尽きてぐったりしたり、トイレが我慢できなくなったりと、さまざまなアクシデントに見舞われ......