人生の課題
コロナ禍は、経済面で数々の問題をもたらし、仕事の保障がない芸術家の多くは、不確実な将来に焦燥感や不安を抱いている。
しかし、Zun Eiは芸術的な行動でこれに対応している。4~5月、彼女は完全に充電状態に入り、創作も一切しなかった。仏教徒の彼女は、この混沌とした時期に禅の修行を行ない、仏法を学んだという。アートセラピストの資格も持つ彼女は、自分自身にセラピーを行なった。「ポジティブで積極的でい続けなければならないと思うからです。これからも暮らしていくのですから」
「誰もがいつ死んでもおかしくありません。ただ新型コロナウイルスが流行する前は、私たちはこのことを見過ごしていました」と言うZen Eiは、コロナ禍が一つの気付きとなり、創作のインスピレーションになったと語る。彼女は3つのワークショップを率いて、参加者とともに「恐れ」という感覚を探ることにした。
Patは仏教の哲理を活かして心身を安定させていると言う。「新型コロナウイルスの流行に直面して、多くの人は新しい仕事や収入源を探そうと努力しているかもしれませんが、私たち仏教徒は自然の流れに任せられると考えるものです」と語る彼は、生活はよりシンプルなものへと回帰させられると考える。「農業でも暮らしていけますし、こうした時こそ家族とともに時間を過ごすことができます」
蕭麗虹はアートビレッジの機能を変化させた。「私のチームは今、バーチャルエクスチェンジの計画を立てています」と言う。「仲人」のような位置づけでアートビレッジをマッチングのプラットフォームとして台湾と海外の芸術家をつなぎ、オンラインのバーチャルな方法でテーマと経験を交換し、協力していくというものだ。
蕭麗虹は、新型コロナウイルスの流行は「不正常」な現象をもたらしたが、これは将来の「新たな常態」となる可能性もあるのだから、芸術文化関係者は、早く切り替えて自分の道を見出さなければならないと考える。
「アーティストが無用になるのではなく、社会型のサービスや教育の推進へと転換するべきなのです」と言う。この危機の中で、アーティストは芸術が持つ真の創造力を発揮することができる。芸術をクリエイティブなサービスへと転換し、あるいは芸術文化空間をプラットフォームへと転換していかなければならない。感染拡大という不確実な状況の中、こうしてこそ危機の中に転機を見出すことができるのである。
プロデューサーでもあるTanawatは今も従前の計画を進め、ますます積極的に国際交流に取り組んでいるが、コロナ禍によってリソース分配の格差がより大きくなることを心配している。(Tanawat提供)
プロデューサーでもあるTanawatは今も従前の計画を進め、ますます積極的に国際交流に取り組んでいるが、コロナ禍によってリソース分配の格差がより大きくなることを心配している。(Tanawat提供)
プロデューサーでもあるTanawatは今も従前の計画を進め、ますます積極的に国際交流に取り組んでいるが、コロナ禍によってリソース分配の格差がより大きくなることを心配している。(Tanawat提供)
新型コロナウイルスの流行で国際的な芸術交流やアートビレッジは大きな影響を受けている。アーティストは迅速に転換して社会との関わりを広げ、芸術の力を社会に還元するべきだと蕭麗虹は考える。(竹囲工作室提供)