然るべき方策で連続受賞を実現
台北101のビルを模したボトルに入ったカバラン・クラシック・シングルモルトウイスキーは、バーボン樽とシェリー樽で最低4年熟成され、亜熱帯のマンゴー、青リンゴ、チェリーのフルーティーな香りが特徴だ。この銘柄は、2014年から2020年の間に29のウイスキー・コンペティションで金賞を受賞した。まさにカバラン蒸溜所の「金」色の「看板に偽りなし」だ。
スピリッツ研究所の責任者兼首席化学分析官の楊順清さんは次のように語る。毎年開催される各種ウイスキー・コンペティションのノンエイジ(熟成年数表記なし)部門で、カバランウイスキーはフルーティーな香りが豊かで熟成度も十分なため、ブラインドテストでも審査員皆がカバラン蒸留所産であると確信でき、受賞するのが常態となっている。また台湾は亜熱帯に位置するため、熟成速度がスコットランドの3倍と速く、「台湾産」の風味はどうにも隠し切れないという。
シングルモルトから、複数のウイスキーを組み合わせたヴァッテッドまで、カバランはこれまでに、一般用やコレクション用などの各種市場向けに30種類のウイスキーを発売してきた。
「誰にとっても自分が好きなウイスキーが最高のウイスキー」と語り、自称「酒飲み」の楊さんのお勧めは樽出しそのままの風味のバーボン・カスクストレングスだ。アルコール度数は58.6%と高いが、まろやかな口当たりと強い甘みがあり、家で気ままに一献傾けたい時や友人と飲む時の基本アイテムだ。
楊さんは結婚の挨拶で妻の両親を訪ねた際、オロロソシェリーカスク・カスクストレングスを持参したそうだ。「亜熱帯の気候で、シェリー樽の甘みやドライフルーツなどの風味がとてもよく出るんです。台湾人はシェリーカスクの重厚感を好むので、立派な贈り物になりますし、体裁も良い。めでたさも加わりますね」とのことだ。
オーク樽は、シェービング、トースティング、リチャーリングの工程を経ると、最初に入れられていたワインの香りが保たれるだけでなく、樽が再活性化する。写真はリチャーリングの様子。