水をかき混ぜる
角度を変えて見てみよう。台湾人学生が、外国人学生のいる授業に参加すると、どのような影響を受けるのだろう。
「以前は、与えられたものをそのまま受け取るだけでした」と話すのは銘伝大学国際学部2年生の台湾人学生、褚;韋;宏さんだ。彼は外国人学生との交流を通して英語力が急速に伸びただけではない。最大の変化は、能動的に学習する情熱が湧いてきたことだと言う。将来の道はまだ明確ではないが、興味のあることに出会ったら、それを追求することが出来るようになったと言う。
例えば、今はレポートの準備をしているが、以前のようにコピーして貼り付けたり、大量の資料でパワーポイントを作ったりするだけでは飽き足らなくなっている。時間をかけて、全体の内容を消化吸収し、自分の言葉で説明すれば、クラスメートにも分かりやすいし、自分も達成感を得られると言う。
「でも、外国人には良い習慣も悪い習慣もあり、悪いところは反面教師にしなければなりません」と言う。例えば、中南米出身のクラスメートは気ままなところがあり、行動も自己中心的で、他人の便宜や感情を顧みないところがある。こんなことがあった。ある会議に出席すると約束したのに、人を待たせた挙句、結局は約束を破られた。以前の彼なら文句も言えなかったが、今は本人に抗議することができる。また、イベントでは、外国人学生が楽な仕事ばかり選び、不公平が生じることがあるが、そういう時も彼は公平のために主張を譲らない。
外国人学生が台湾の教室に入り、穏やかだった水をかき混ぜているが、教室の外のキャンパスは何も変ろうとしない。政治大学国際事務処の陳樹衡処長によると、例えば外国人学生に自殺のおそれがあっても、学校の指導センターは「外国人学生は私たちの業務対象ではない」としてカウンセリングを拒否するという。事務部門からは「外国人学生は面倒を起こす」「資源を占有している」といった声が聞かれるという。
台湾は以前から多様な価値と友好性を誇りとしてきたが、大学国際化という角度から見ると、まだまだ進歩が必要なようである。
朋遠方より来るあり、亦た楽しからずや――すでに外国の学生を歓迎し、彼らの意見も聞いたのだから、それに応えていってこそ、国際化の初心を貫けるのではないだろうか。
日常生活や学内の活動に積極的に入っていけば、外国人学生も台湾文化に触れるさまざまな機会を得ることができる。
日常生活や学内の活動に積極的に入っていけば、外国人学生も台湾文化に触れるさまざまな機会を得ることができる。
日常生活や学内の活動に積極的に入っていけば、外国人学生も台湾文化に触れるさまざまな機会を得ることができる。
大学や教員も、台湾の教育に対する外国人学生の意見に耳を傾けて調整していってこそ国際化の価値を貫けると言えるだろう。