AIの頭脳を持つロボットアーム
この産業用ロボットの、どこが世界的な舞台で注目されたのだろう。
SSSTC研究開発組の陳柏成‧組長によると、人の目は明るい物も暗い物も見分けることができるが、センサーの場合、光を吸収する黒い物を見慣れてから急に光を反射する金属を見ると問題が生じやすいと言う。これまではエンジニアが1~2日をかけて光学パラメーターを入れなおさなければ、はっきりと見分けることはできなかった。そこで開発チームは視覚パラメーターを直接センサーに入れることで材質の反射の再現率を2.1倍高めたところ、テストの結果、8時間かかっていた調節が15分でできるようになった。
現在、世界中の生産ラインで使用されている産業用ロボットは、まだ十分に「見たり考えたり」することはできないため、メーカーが生産ラインを切り換えたり、ロボットの機能を高めたりするときは、技術者が1~2週間をかけてプログラムを書き直さなければならない。
そこでSSSTCのチームはアルゴリズムを改善し、AIロボットが物を取ったり置いたりする技術を自己学習するようにした。これを用いれば、工場が生産ラインや原材料を切り換える際、ソフトの技術者が15分でパラメータを調整するだけで、すぐに物を取る場所が決められ、物を識別し、巧みにピッキングし、聡明に分類するという目標を達成することができる。
この「頭と手」を持つRGB-D AIロボットは生産ラインの技術者に取って代わることはできないものの、その作業負荷を大幅に軽減することができる。現在すでに工作機械や靴、衣類、自動車部品、電子産業のPCDなどの生産ラインに応用され、スマート製造を支えている。
工業技術研究院サービス‧システム技術センター 鄭仁傑ゼネラル‧ディレクター
「iPetWeaRは、操作性とリアルタイム‧モニタリング、動物に対する人間的な関心を兼ね備えた商業的価値を有しています」