台中アートフェスティバル
例えば、王局長の出身地である台中市西北部の大甲区では、毎年旧暦3月の媽祖の祭りだけでなく、ほかの時期にもさまざまなリソースを投入して文化的イベントを催している。
2016年、林佳龍市長のサポートを受け、台中市では芸術文化イベントのメルクマールとして「台中花の都アートフェスティバル(花都芸術節)」を催したものの、当初は疑問の声が多く上がっていた。
「『花の都』などとフランスのパリのように言えるものが台中にあるのか。それに、どこに花があるのか」などと言われた。だが王志誠は、台中は知る人ぞ知る花の都なのだと反論する。とりわけ、オンシジューム、ユリ、グラジオラス、アンスリウムの生産高は全国一で、2018年には台中で「世界花卉博覧会」開催も予定されている。
そこで王志誠は、2015年の台中市文化局長就任後、「花・百年」をテーマにアートフェスティバルを大々的に催すことで花の都としてのイメージ造りに努め、しかも2018年の花卉博覧会という国際的行事と結びつけて「文化的平等」の理念実践を目指した。
また、その理念のために慣例を破り、アートフェスティバルの開閉幕式を市街地から離れた大甲で催し、米ピクサー社のアニメと長栄交響楽団によるライブを組み合わせた演出で大いに盛り上げた。当日は20万人余りの人出となり、「媽祖の祭り以外で大甲がこれほど多くの人でにぎわうのは数十年間なかったことで、たちまち話題になりましたよ」と王志誠は言う。
毎年10月にはジャズ・フェスティバルが開かれ、街のいたるところで音楽を楽しめる。(台中市文化局提供)