マルコ･ミューラー

1953年、ローマ生まれ。映画評論家。ヴェネチア国際映画祭でアジア映画選考を担当。

「最も重要なのは、真実を反映することが求められ始めたことだ。30年たった今日、フィリピンやシンガポール、マレーシア、タイなどの挑戦的な映画を観るたびに、彼らは侯孝賢（ホウ･シャオシェン）や楊徳昌（エドワード･ヤン）などの台湾ニューシネマを観たに違いないといつも思う」

Pierre Rissient

Pierre Rissient

1936年、パリ生まれ。映画評論家。カンヌ国際映画祭選考者。台湾ニューシネマに関する文章を多数発表。

「あれから30年、今も新鮮な感覚を覚える。1983年前後の作品は、本当に奇跡のようだ。楊徳昌の作品の繊細さが際立つが、侯孝賢の作品も繊細な部分があり、それに磨きがかかっていく。そのシンプルな純粋さが私を惹きつけ、それが他の映画との最大の違いだと考えている」

Martin Rejtman

Martin Rejtman

1961年、ブエノスアイレス生まれ。作家、脚本家、監督。

「私は、台湾映画は世界で唯一、国家民族型に属すると考えている。1960年代のヌーベルバーグのような一種の時代性があり、私は台湾映画に親しみを感じる」

オリヴィエ･アサイヤス

オリヴィエ･アサイヤス

1955年生まれ。フランスの映画監督。1986年『無秩序』でヴェネチア映画祭国際批評家賞受賞。

「これらの映画にはエキゾチズムのシンボルはなく、その完成度と純粋さは現代映画の精神に属する。このような映画がイタリアやスペイン、フランスに出現したら、私は同じように衝撃を受けるだろう。つまり、台湾ニューシネマの真の強さは、台湾を堂々と世界の現代映画界に登場させた点にある」

ジャン=ミシェル･フロードン

ジャン=ミシェル･フロードン

1953年パリ生まれ。映画評論家、映画学者。数々の映画雑誌主筆を務める

「私は映画を通して台湾を知った。ニューシネマが台湾の映画発展のエネルギーを起動したが、その後は蔡明亮（ツァイ･ミンリャン）が出ただけで、まだ後を受け継ぐ動きは出ていない」

トニー･レインズ

トニー･レインズ

1948年生まれ。イギリスの評論家。長年、中国語映画の発展に注目してきた。

「それは輝かしく、熱く、目の前が突然開けるような瞬間だった。全体として台湾ニューシネマの真の共通点は、どれもが他とは違うこと、違う映画、違う方法、違うスタイルを目指していた点にある。そうして国際レベルに達する、しかも台湾スタイルを持つ映画を作り、世界で最も優れた映画と肩を並べ、世界に台湾映画のエネルギーを見せたのである」

アピチャートポン･ウィーラセータクン

アピチャートポン･ウィーラセータクン

1970年バンコク生まれ。映画監督、脚本家。2010年、『ブンミおじさんの森』が第63回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞。

「これは映画に関するすべてを反映している。つまり凝視であり、死であり、生命の透視である」

イチヤマ ショウゾウ

コレエダ ヒロカズ

1962年東京生まれ。デビュー作『幻の光』がヴェネチア国際映画祭で脚本賞受賞。

「こうした映画こそ、私が撮りたいものだ」

クロサワ キヨシ（黒沢清）

イチヤマ ショウゾウ

日本の映画プロデューサー。1994年から侯孝賢の作品を多数プロデュースし、ヴェネチアやロッテルダムなど、多くの映画祭で審査員を担当。

「あの時代に、これほど優れた映画創作者が生まれたとは、ただただ驚き感動するばかりである」

ウォン･カーウァイ

クロサワ キヨシ（黒沢清）

1955年神戸生まれ。日本代表する映画監督。

「日本では作れないようなハイレベルな作品が、台湾で同じ時期に多数生み出されたというのは不思議と言うほかない」

アン･ホイ

ウォン･カーウァイ

1958上海生まれ、1963年に香港に移住。香港を代表する映画監督。

「『童年往時』『海辺的一日』を観ると、彼の大脳と身体が対話していることを感じる。香港のニューウェーブも同じころに始まった。私は、映画がある段階に達すると、新たな言語、新たな世界、新たな語り方が生まれ、新しい人々が新しい衝撃をもたらすと考える」

アン･ホイ

1947年、遼寧省生まれ。1952年に香港に移住。香港ニューウェーブ世代の監督。

「すべてが偶然で非常に自由だった。だからこそ、これほど輝かしい映画が生まれたのである」