集団による創作
2016年に創設された「明日和合製作所」は洪千涵と張剛華、黄鼎云の3人の演出家からなる。
「一般に演劇団体の多くの創作者は1人ですが、私たちは3人とも演出家なので、それが一緒になることで共同創作が期待できます」と黄鼎云は言う。グループ名のCo-coismは、CollectiveとCooperationを組み合わせたもので、これが彼らの理念と信仰を表している。
3人は台北芸術大学演劇学科演出組の同級生で、長年の協力関係から息は合っている。3人の演出家が一つの部屋に集まれば、すぐに話が始まり、話題はあらゆる分野に及ぶ。掃除ロボットから哲学思想まで、とりとめのない話から次の作品のアイディアが生まれるかもしれない。
3人の作品は既存の概念や枠組みを打ち破るもので、いつも人々を驚かせる。インスピレーションが尽きることはなく、多くは平凡な日常から来ている。「グループを結成した当初の作品は、生活経験や日常の現象から得たものをパフォーマンスの形にしていました」と洪千涵は言う。
人生経験を重ねるに連れ、彼らのテーマの重点は「台湾」に移ってきた。「芸術大学では、シェイクスピアやチェーホフなど西洋の古典を題材にすることが多く、それを通して演出の技能を磨いてきましたが、卒業後は私たちが暮らすこの土地や、よりリアルな生活を中心としたテーマに興味を持つようになりました」と言う。
作品「明日和合」は、現代社会における二つの個体の間の微妙な関係——主体と他者との出会い、交流、理解、シェアまでの可能性を表現する。(作画/孫培懋)