台湾が戦乱を経て間もない1950年代、まだ文化、教育、医療、衛生などの条件が整っていない中、ベルギーやオランダ、スイス、イタリアなどから数多くの外国人宣教師が、欧米各地からの寄付金や支援物資を手に渡来し、台湾の多くの僻遠地域に深く根を張っていった。
彼らは堅い信仰の下、地域に病院を設け、舞踊団を結成し、児童への放課後指導を行ない、またコミュニティに芸術文化を普及させるなど、さまざまな活動を行なってきた。初めて訪れた見知らぬ土地で異国の言語を学びながら、地域の生活と文化に溶け込み、カルチャーショックと困難に直面しつつ、物資が乏しい中で行なう奉仕はいずれも喜びに満ちたものだった。
現地に根を張って半世紀、カトリックの外国人宣教師は、現地住民の需要があるにもかかわらず、誰もやっていなかったことに取り組み続けてきた。若くして台湾にやってきた宣教師も今は高齢となり、中には生涯をささげたこの土地で永遠の眠りについた人もいる。彼らはまるで天使のように、今もこの世に愛のメッセージを送り続けている。