郵便局のサービス向上
ここ数年、中華郵政では快適な利用環境を提供し、サービスの質を高めるため、郵便局の改修を進めてきた。
中華郵政の翁文棋董事長は、就任してから各地の郵便局を視察したが、そこで歴史ある中華郵政の局舎の老朽化に気づいた。10年先には消失しかねない産業として、翁董事長は老舗の中華郵政にも変革が必要で、町村の郵便局は家のリビングの延長として、若い人も気軽に入れるようにと考え、地方郵便局の地域密着化と、都市の郵便局の若返りを図ることにした。
最初の改築対象の一つが、築50年余りの台北市仁愛路郵便局である。サービスカウンターの高さを下げ、タッチパネルの窓口受付システムを導入し、端末で通販の商品を購入することもできる。明るいデザインの内装は、昔ながらの郵便局のイメージを一新し、効率的でプロフェッショナルなサービスを提供するようになった。
仁愛路の郵便局を皮切りに、中華郵政は馬祖郵便局を閩南様式で、嘉義の阿里山郵便局は雲海やSLなどを取り入れた宮殿スタイルにプラニングした。地方の文化要素を取り入れ、郵便局が地元の共通の記憶となることを期待している。
屏東県枋山郵便局は、小包パッケージのような外観が斬新なイメージである。屏東郵便局の設計チームは、郵便局で販売する小包パッケージから発想を得て、パッケージにデザインされていたハトを地域の鳥であるモズに換え、さらに壁面には特産のタマネギやマンゴーを描いて、郵便局全体を巨大な小包のパッケージにデザインした。ポストのデザインも、郵便配達員にモズのキャラクターを使った。屋根にはソーラーパネルを取付けて郵便局用に発電し、余った電力は台湾電力に販売する。枋山はリゾート地の墾丁に向かう観光客の通り道で、以前は通り過ぎるだけだったが、今では観光客必見の場となった。
日本時代に建設され、台北市三級古跡に指定された北門郵便局は、台北市の計画の下で、台北西区都市再開発計画に盛り込まれた。将来的には、東京のJPタワーに倣って中華郵政タワーを建造し、北門郵便局の外観を復原して、周辺の区域を国家クリエイティブパークとオフィスセンターに整備する予定である。持てる資産を有効活用することで収入を増加させ、古いブランドに新しい活力を注入することができる。
中華郵政は先住民アーティストのラヴラス・マティリンに依頼し、台湾先住民の特色をポストに描いた。ルカイ族の百合、タオ族のカヌーとトビウオ、ツオウ族のマヤスビ祭などが色彩豊かに描かれている。