故宮の至宝をユーモラスに
『清明上河図』には4000もの人物が描かれているのをご存じだろうか。故宮博物院のSNS運用担当者は、この『清明上河図』から創意を発揮して数々のユニークな画像を発表してきた。「#キャプテン‧アメリカ編」や、新型コロナウイルス感染予防を呼びかける「#時中前、時中後」など、絵の中の人物を拡大してみると、笑いを誘うものばかりで、故宮の文物がこんなにも親しみやすいものだったことに気づかせてくれる。
自分は台湾で最も経歴の長いSNS運営担当者だと笑う故宮博物院北院の林白苧は、無理やりこの仕事を任されたと言う。最初はネットスラングなどもまったく分からなったが、今では8+9や484といった流行語も理解できるようになった。これまでにヒットしたのは「あなたのカウントダウンはどのタイプ?」という画像だ。故宮収蔵の古い絵画を用いて「人混みに出ていく型」「熱狂型」「睡眠補充型」などのタイプを表現した。また、清代の皇帝8人の筆になる「知道了(了解した)」という文字をランク付けしてもらうというアイディアも大きな話題になった。
「故宮精品(故宮博物院ショップ)」に属するSNSは最も広く知られていて、「汝窯青磁蓮花碗でインスタントラーメン」といったアイディアがサラリーマン層に受けている。ショップのSNS運営担当者で、マーケティング部マネージャーの張庭甄は、故宮精品の目的は台湾市場における知名度を高めることだと言う。若い世代の入館者を増やすため、25~35歳のサラリーマンや文化‧文学好きをターゲットとしている。若者の言葉でコミュニケーションをとり、ミュージアム商品の文化性を創意をもって違う形で見せることで、大きな注目を集めている。
5年前に設立された故宮博物院南院は文化的資源の乏しい僻遠地域にある。そのため南院のSNSを運営する周奕妏は、近隣住民とのコミュニケーションを重視し、文化の格差解消に努めてきた。そうして5年、今では現地の子供たちは博物館を自分たちの遊び場ととらえるようになり、芸術の種が芽吹き始めている。
これら三つのFacebookページを見ると、ターゲットはそれぞれ異なる。林白苧が言う通り、「役割分担、相互補完」の8文字の協力関係にあり、ともに故宮というブランドの運営に取り組んでいるのである。
SNSは一般市民との接触のツールであり、そこから生まれる物語もある。2017年の「同安‧潮」展では、18世紀末の中国東南沿海の海賊が話題となり、ユーザーから「当時の海賊船の見分け方を知りたい」というコメントがあった。林白苧がキュレーターに尋ねると「皆さん『パイレーツ‧オブ‧カリビアン』の見過ぎです」と言われた。当時は、海賊船もそれとは分からないように、一般の商船と同じように黄色い媽祖旗と風向旗、それにオランダ国旗を揚げていたのである。このやりとりを通して、キュレーターは一般市民の疑問を知り、展示内容に手を加えたそうだ。
これらSNS運営担当者の物語を聞き、政府部門が一般市民に分かりやすい言葉でのコミュニケーションに努めていることを知れば、ますます台湾を誇らしく思うことだろう。
雅婷は家豪の浮気を心配しているが、実は丹娜絲(ダナス)という台風への備えを促す幼稚園からの電話だった。これに合わせて、教育部の「準公共化幼稚園政策」によって安心して子供を預けられることをアピールしている。
雅婷たちはインフルエンサーに依頼して、子供の頃につけられた嫌なあだ名を制服の胸に刺繍してもらった。学校でのいじめについて考えてもらうためだ。
雅婷たちはインフルエンサーに依頼して、子供の頃につけられた嫌なあだ名を制服の胸に刺繍してもらった。学校でのいじめについて考えてもらうためだ。
雅婷たちはインフルエンサーに依頼して、子供の頃につけられた嫌なあだ名を制服の胸に刺繍してもらった。学校でのいじめについて考えてもらうためだ。
「#こんな教育課程も悪くない」は漫画のコナンの姿を借りて「こんな教育相も悪くない」と人々に思わせる。
歴史や芸術もこんなに親しみやすいものになる。故宮には新たな話題が絶えない。(故宮博物院北院Facebookページ提供)
仏像の感染確認ゼロ(故宮博物院南院Facebookページ提供)
清明上河図(キャプテン・アメリカ編)(故宮精品Facebookページ提供)
清明上河図(キャプテン・アメリカ編)(故宮精品Facebookページ提供)