主婦連盟の買い物カゴ革命
実際に食糧自給不足を緩和するのに最も効果的なのは、消費者の力を借りることであった。
台湾では、10年余り前に主婦グループが安心な米を求めて、台湾最初の共同購入の主婦連盟生活消費合作社を組織した。
合作社の陳秀枝主席理事によると、合作社の原則は台湾農業を支え、環境に優しい生産者を支持するところにあり、生産されていないか生産量が不足する場合に限り、輸入を考える。
合作社が提供する台湾の雑穀は、しかし常に品不足で、小麦と大豆は言うに及ばず、その他の黒豆、緑豆、アズキなども全国を回って生産者を探し、生産者と密接な協力関係を形成してきたものである。
合作社の出版編集者張雅雲によると、花蓮では農家に有機農法を指導しており、試験栽培する農家は少なくないが、農薬や化学肥料を使わずに数年過ぎると雑草や虫害などで収穫が減少し、続けていける農家は少ないという。そこに合作社という新しい流通経路が現れると、農家にとっては励みになる。
陳雅雲は台湾の雑穀栽培農家に共通する問題を以下に挙げる。
1)人手がかかる:雑穀農法が衰退し機械化が遅れ、手作業に頼るため、人手がかかる。
2)加工の問題:食品産業は規模の経済で、小規模農家が生産する少量の穀物を工場で加工するのは難しい。小規模農家には乾燥や保存設備が整っておらず、品質もばらばらなため、工場も加工したがらない。
3)流通の問題:雑穀輪作を行う農家は高齢化が進み、収穫後の包装や販売、原価計算などを行うのは難しい。現在の認証制度は小規模農家に厳しく(認証費用、土地所有権がないと申請できないなど)、有機農法を実施していても流通に乗らない。
墾丁の「畜産試験所恒春分所」では山から吹き下ろす冬の風を克服して有機大豆畑に水をやる。大豆は人間と家畜にとって最も重要なタンパク源であり、土壌中に天然の窒素肥料を増やす作物でもある。