華語教育以外の一面
現在、O.P.ジンダルグローバル大学には3人の華語教師が赴任している。李香君はこれまでアイルランドやインドのアミティ大学で華語を教えた経験がある。授業では常にエネルギッシュな彼女を、学生たちは歌う鳥のようだと形容する。林少揚は華語教師としての経験が豊富だ。清華大学在学中に、アメリカの大学との華語教育計画に参加し、タイ北部で教鞭をとったこともある。着任したばかりの林育徳は、好奇心からインドに赴任してきた。
インドでの経験を語ってもらうと、3人は口をそろえて、インド人学生は「極めて聡明」「授業はまるで知恵比べのよう」「好んでルールに挑戦する」と言う。
林育徳は、あるゲームの経験から、インド人学生は短時間のうちに仕掛けを見破り、高得点を得る方法を見出せると言う。彼らは規則の抜け穴を見つけるのがうまく、林少揚は秩序を守るために時間をかけて知恵を働かせなければならないと言う。例えば「試験中に話をしてはならない、3回警告されたら0点にする」と言うと、「じゃあ、2回まではいいんですね」と聞いてくる。教員として、学生が越えてはならない一線を明確にすることが重要なのだと言う。
李香君によると、インドでは正体字を前向きに受け入れ、学生も好んで漢字を学ぶという。この点についてDr.Chauliaは、将来の仕事では会話の能力が重要になるが、その点で台湾の華文と中国大陸の普通話に大きな開きはなく、正体字と簡体字の切り替えも難しくないため、両者は並立すると考えている。
「台湾華語教育センターの任務は、華語を教えることだけではありません。より重要なのは、台湾を好きになってもらうことです」と林少揚は先輩である鄒宛育の言葉を引用する。確かに、インド人学生は台湾のことをよく知らず、このプラットフォームをうまく活用すれば、台湾-インド関係が大きく広がるだろう。そこで李香君は授業に台湾の流行歌を取り入れ、台湾は医療やハイテクが発達していることも取り上げる。林少揚は学生たちと民主主義や自由について話し合う。例えば最近は、台湾の司法が同性婚を認めた事例を挙げ、台湾がアジアで初めて同性婚を認める国になるかもしれないと話すと、インド人学生は驚き、台湾の民主主義と進歩を知ることとなった。
林少揚の生徒たちは、彼女に促されて華語を話すようになり、自信をつけている。政治と国際関係を学ぶAtharva DeshmukhさんとKarikeya Dwivediさんは、将来は台湾か中国大陸に留学したいと語る。
Megha Guptaさんは、華語は難しいけれど李香君先生の指導を受けて、今は一番好きな学科になったと話す。Viswas Viswanathさんは、華語教師は言語を教えてくれるだけでなく、台湾についていろいろ教えてくれ、文化に関する議論などもしてくれると言う。
こうした交流や多様な討論が台湾華語教育センターから広がり、台湾-インド関係が大きく進展することに期待したい。
O.P.ジンダルグローバル大学(JGU)は若い活気に満ちた新しい大学である。