国際感覚を養い、台湾を知ってもらう
高雄中山工商で教員を務める蔡桓艮さんは、東南アジアの華僑学生やロータリークラブを通して交換留学してきた外国人の指導経験が豊富だ。学校で多くの外国人学生と触れてきたが、ホストファミリーになったのは、家族の英語力を高めたいと考えたからだ。彼女は学生を食事に招き、烏骨鶏のスープやピータン粥などを作って東洋の料理に触れてもらっている。モンゴルから来たザヤさんは、自分が料理をして家族をもてなしたいと言ってくれたが、出てきたのはゆで卵と、きゅうりとトマトの炒め物で、家族が期待していたモンゴル料理とは程遠いものだったという。
オーストリア出身のタマラさんをキャンプに連れて行くと、「台湾人は引っ越しみたいに荷物を持っていく」と驚かれた。ドイツ人学生を寺に連れて行くと、仏教で吉祥をあらわす万字紋を見て「ナチスのシンボルがある」と驚かれた。
蔡桓艮さんには、外国人学生をもてなしても英語ができるようになるとは限らないと言う。英語圏以外からの学生も多いからだ。それでも子供は国際感覚を身につけ、さまざまな文化の刺激を受けて学んでいるという。
蔡桓艮さんはホストファミリーになったことで「台湾を世界に見せたい」と思うようになった。そこで2016年から、家族旅行でタイ、インド、チェコに行った時、かつてホストファミリーとして交流した学生に依頼し、現地の学校で台湾を紹介する機会を得た。蔡桓艮さんは台湾を紹介する資料や菓子を用意し、息子と娘も台湾の国旗を手に紹介した。娘の蘇逸芯さんは、外国で自国の国旗を掲げた時は誇らしかったと言う。昨年からは、インドやアメリカの小学生と地域の子供や息子の同級生を集め、写真とプレゼントを交換し、台湾を紹介するイベントを開いている。
ビーフンや湯圓(白玉団子)作りを通して客家文化に触れる留学生。