また台湾に来たいと思う
青木さんは日本の多摩美術大学染織デザイン科を卒業後、2001年に初めて台湾を旅して台湾人の優しさや人情に触れ、翌年から台北に移り住んだ。まだ日本語訛りはあるが中国語は流暢で、彼女が探し出す台湾の美食や夜市、景色は日本の読者の憧れとなっている。彼女は、日本のメディアの台湾特集などでも重要なコーディネーターを務めているのである。
彼女の推薦で、多くの日本人観光客は朝食をホテルではなく、街中の食堂で食べるようになった。昔からの焼餅油条やお粥や黒米おにぎりなどだ。「最近の日本人の家には台湾と同じように2台の電気釜があります。ご飯を炊く炊飯器と、蒸したり煮たり煮込んだりできる大同電鍋です。これも私が日本に紹介しました」と言う。日本人観光客が、お目当てのものを一度に買えるよう、彼女は2015年に台北の大稲埕にセレクトショップ「你好我好」をオープンした。ここでも同じように近所の人から「家賃はいくらなの? やっていけるの?」と聞かれる。これも台湾のおもしろいところだと青木さんは感じている。
彼女は日本人の展覧会に協力したことから沖縄で文化交流に力を注ぐ伊礼武志さんと出会い、結婚した。台湾で披露宴を開いた時、招待したのは100人余りだったのに300人も集まり、その中には面識のない読者も大勢いた。「おもしろいのは、そのレストランのオーナーも日本人の披露宴は珍しいというので、会場の外にテーブルを設け、自分の友人たちを招待したのです」
台湾人の人情や熱意は、時には行き過ぎのこともある。しかし「なぜか分かりませんが、日本や他の国で『台湾』と聞くと、自分の名前を呼ばれたみたいにドキッとするんです」と言う。
彼女が書きたいと思う台湾の良いものやおもしろいことは尽きない。台湾式のおもてなしを体験したかったら、青木由香さんが言う通り、絶対に台湾に来てみてほしい。
昔ながらの市場を訪れれば、おばさんたちが熱心に旅の情報を提供してくれる。
台湾人の人情と親しみやすさに多くの旅人は感動する。
台湾人の人情と親しみやすさに多くの旅人は感動する。
景色の美しい太魯閣国立公園を自転車で行く。これも外国人旅行者に人気のあるスペシャルティ・ツーリズムだ。