台湾の5+2産業イノベーション計画
この時期に打ち出された「タイランド4.0」は、まさに急速に前進する列車に等しく、この列車に乗り遅れることなく前進することが将来の存亡のカギを握る。
「インダストリー4.0」と聞くと、工業分野にのみ目が向くが、タイランド4.0は「中所得国の罠」に陥らないよう、技術革新を経済発展のエンジンとしていくというものだ。今後20年という時間軸で、工業、農業、サービス業、観光などさまざまな産業を見直し、マクロな国家発展のビジョンを描いている。
このような発展戦略は、台湾にとっても交流と提携の機会をもたらすものであり、我が国政府が打ち出している「5+2産業イノベーション計画」と「新南向製作」とも合致する。
タイランド4.0では、次世代自動車、スマート・エレクトロニクス、医療・健康ツーリズム、農業・バイオテクノロジー、未来食糧、ロボット、医療ハブ、航空・ロジスティクス、バイオ燃料・バイオ化学、デジタル産業とビッグデータなどを挙げている。これらは台湾の5+2産業イノベーション計画が挙げるスマート機械、アジア・シリコンバレー、グリーン・エネルギー、バイオメディカル、新農業、国防産業、循環経済などと一致する部分が多い。
「タイランド4.0」の中に「5+2産業イノベーション計画」とマッチする部分を見出すことが、今後の台湾-タイ間の経済協力の方向となる。タイに駐在する台北経済文化弁事処の童振源代表によると、このような前提の下、2017年6月、台湾の工業技術研究院とタイ国立科学技術開発庁は覚書を交わし、台湾の資訊工業策進会が定期的に人員をタイに派遣し、ともに科学技術を発展させようとしている。
転換と発展を追求する台湾企業も、2017年9月にタイ台湾企業会連合総会が中心となり、駐タイ台北経済文化弁事処が協力して「タイ台湾ハイテクセンター」を設立した。これをプラットフォームとして、国情分析、スマート製造、データ・エコノミーなど、さまざまな分野の専門家210人を招き、関連する講座を開くなどして国境を越えた産官学のつながりを形成し、台湾企業のグレードアップと転換に協力している。
康樹徳は、国際都市バンコクを訪れれば誰でもこの土地が好きになると語る。