雲林県の西螺は台湾の主要な野菜生産地の一つで、主に葉物野菜を中心に生産している。農地を訪れると、いたるところに緑のネットハウスがあり、除草、施肥、収穫と、休むことなく農作業が行なわれている。小規模農家の人々は夜明け前から畑に出て、朝採れの新鮮な野菜を近くの西螺青果卸売市場へと運んでいく。
午前六時過ぎから、西螺青果市場には梨山などから高山キャベツを積んだ大型トラックが次々と到着し、順番待ちをして荷を下ろしていく。ここは全国最大の青果卸売市場だ。台湾各地で生産された野菜果物が集められ、ここから全国各地へと運ばれて、最後には私たちの手元に届くのである。
産地から食卓まで、野菜果物は日々不思議な旅を繰り返す。これほど多くの人の努力があって新鮮な野菜が食べられることを知ると、ありがたさ身に沁み、感謝の気持ちが湧きあがってくる。
小規模農家は、野菜が売り切れると急いで畑に戻って商品を補充する。
キャベツを積んだトラックが市場に到着すると、素早く荷下ろしが始まる。
スクーターに乗ったバイヤーが売り手に注文を出していく。
仕入れのトラックは、買い集めた野菜を冷やして梱包するとすぐに目的地へと出発していく。