『光華』2017年のカバーストーリー「国境を越える外国人宣教師の愛と思いやり」は広くご好評をいただいた。ちょうど台湾-バチカン国交樹立75周年に当たったため、我が国の駐バチカン大使館はこの特集のスペイン語・イタリア語版各3000部を増刷して75周年記念パーティで配布し、またバチカン教皇庁国務省を通してローマ教皇フランシスコおよび各枢機卿にも贈呈した。さらに欧州や中南米各地にも送り、我が国のソフト外交に大きく貢献することができたのである。
今年(2019年)も『光華』は台湾で黙々と奉仕する神父を特集することとなり、今回は西洋出身の神父の他、ベトナム出身の阮文雄神父にもお話をうかがった。阮神父はアメリカ国務省から「現代の奴隷制度を終結させる英雄」と称えられている。阮神父が台湾でどのように神の愛を伝え広めているのか、ぜひお読みいただきたい。
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今月号には人間と自然との融合を考える記事も少なくない。何俊賢は地形の限界を克服し、夏は涼しく冬は暖かい「度)B屋」を建てた。先住民集落と緊密に結びついた「文化と種子の保存運動」もある。また、静かで喜びに満ちた山林への回帰も考えたい。「国家賠償法」第6条の改正が採択されたことで、山林が開放された。海や山でリスクある活動をする際、行政は適切な警告や標示を行なうが、それ以外の賠償責任は負わないこととなったのである。これにより、今年6月1日から国立公園は入山規制を廃止し、農業委員会林務局は所管の林道を開放した。
この政策は、山を愛し、自らの限界に挑戦する登山者には大きな福音である。都会の喧騒を離れたいと思う人々にとっても、アウトドアに親しむ誘因となるだろう。そうではないとしても、一杯のコーヒーを淹れ、『光華』を開いて流れるような文章と写真を通して充電していただきたい。
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このほかに、今月号では2018年の国慶節祝賀式典の司会を務めたベトナム出身の阮秋خdをご紹介する。台湾に来てからの暮らしや、いかにしてステレオタイプのイメージを打破して自信を持つに至ったかをうかがった。政治大学東南アジア研究センターでは、世界各国との学術交流プラットフォームを通して、東南アジアの文化、言語、エスニックなどの学際研究の輪を広げている。また、テクノロジーを取り入れる女性農家の物語もぜひお読みいただきたい。
来月号の『光華』は、東南アジア各国出身の「新台湾人」を重要なテーマとし、それぞれの台湾での出来事や暮らしをご紹介する。