台湾に文化財修復の高い標準を

時間をさかのぼる修復家——蔡舜任
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2019 / 5月

文・鄧慧純 写真・莊坤儒 翻訳・久保 恵子


2014年に、蔡舜任は自身の修復チームによって修復を終えた著名絵師・潘麗水の門神(寺廟の門に描かれた守護神)4点を携え、「門神との旅」と銘打った国際展への参加を開始した。国際建築ペイント・リサーチ(APR)に招かれ、スウェーデンで展示を行ない、台湾の修復技術のレベルを国際的に紹介すると共に、蔡舜任のチームが堅持してきた修復標準も国際的に認められることとなった。聖母子や天使の芸術作品に囲まれながら、色彩鮮やかな台湾の門神作品が多くの人の目を惹いた。そして、この作品はどこから来たのかと問われると、台湾と答えたのである。


欧米に10年近く滞在した蔡舜任は、その習得したヨーロッパの文化財修復の概念と技術を台湾に持ち帰った。ここから潘麗水(1914−1995)、柯煥章(1901−1972)、陳玉峰(1900‐1964)、陳寿彝(1934‐2012)など、伝統の絵師の作品修復に参加し、絵師の残した華麗な世界を再現してきた。蔡舜任が修復した作品の点数は多いとは言えない。しかし、その手にかかると、一点一点の文化財の在りし日の面影を取り戻しながら、しかも過ぎた時間の痕跡も残しつつ、台湾固有の寺廟を装飾する絵画芸術を次の世代に残すことができるのである。

時の流れを処理する

「私はドラえもんの苦労に同情します。運の悪いのび太のため、タイムマシンで過去に戻り、過去に起因する問題を処理しますが、私も同じです」と、蔡舜任は修復技術士の仕事をアニメに例えて説明する。

東海大学美術学科在学中に自分の絵画が損傷したことから、遠くイタリアのフィレンツェに修復を学びに行きたいと思ったという。パラッツォ・スピネッリ芸術修復学院で修復を学びながら、あまりうまくないイタリア語で、修復の実作の機会を求めて、各地の修復アトリエを訪ねた。その後、国際的な著名油絵修復家ステファノ・スカルペッリの門下に入り、ウフィツィ美術館においてルネッサンスの父ジョットの作品修復に携わることができた。

この誇らしい経歴がありながら、蔡舜任は最終的に台湾に戻り、「TSJ芸術修復工事」を設立した。修復する文化財は、ヨーロッパの油絵から、中国の伝統的な廟にある門神絵画へと変わり、処理する文化財は異なるものの、時間の経過が修復技術士の重要な課題だった。

専門の修復技術が導入されていなかった当初の台湾では、伝統的な廟には10年で小改修、20年で大改修が習慣だった。多くは職人や絵師に任せ、状態の悪い作品は直接描き直され、先人の作品が覆われて、古びた持ち味も消されていた。のちになり、修復に「古いものは古いままに修復」とのもっともらしいコンセプトが提出されたのだが、実はこれも文化財にとって害となった。

「時間は無慈悲で、素材は老化し顔料は退色します。しかし時間は無敵でもあり、時間の経過によって良いものが生まれます」と蔡舜任は言う。修復技術士の任務は、美術史の知識や素材の理解を通じ、時間が文化財に残した痕跡を読み取り、慎重に表面の汚れを落とし、定着させ、彩色を施して、当初の姿を復原しつつ、時間が残した痕跡は留めるところにある。「修復とは時間との等価交換で、基本的に私たちは青春をもって文化財の寿命と交換するのです」と、蔡舜任は笑いながら言葉を続けた。

修復工事に基準を確立

イタリアに渡った当時は、アンドレア・シプリアンのアトリエで実習に入り、二年余りを際限なく表層の再建の練習に費やした。そこで基本技術の基礎を磨き、その後は国際的な油絵修復家ステファノ・スカルペッリの門下に入り、唯一の台湾出身スタッフとなった。蔡舜任は徒手空拳で金髪碧眼の修復仲間と競い合う実力を具え、その修復に対する努力が見て取れる。

台湾に戻ってからも、イタリアと同じ標準を自分に要求し、修復が必要な文化財を取り扱うことにした。台湾の廟における絵画作品は、高温多湿の気候による影響を受け、さらにお香に燻されて、厚い油の層が表面に積る。しかも、駄目にならなければ修理しないというのが習いで、彼の手に渡った時には、門神の多くは表面が斑に剥げて、目も当てられない惨状である。

それがどれほど困難でも、TSJのチームは状況を仔細に観察し、事前準備を十分整えてから修復を開始する。まず溶剤で慎重に洗浄し、手術用のメスを駆使して、汚れや後から加えた顔料をゆっくり剥がし、補填材で固定し、水彩の筆で丁寧に色を補う。こうして、大家の手になる門神は昔日の輝きを取り戻し、汚れに埋もれた線や細部と色彩が蘇る。わずか1ミリほどの細い線で描かれた門神の鬚が、一本一本生き生きと再現され、見る人を驚かせる。

修復に高い標準を打ち立てたため、「時に標準が高すぎたため、皆に恨まれているような気がします。でも問題は、そうしないと文化財や芸術品に害が及ぶという点です」と、蔡舜任の語気は重い。修復は1センチ四方の範囲が影響し、不適切な工程や素材が、文化財に決定的な害を与えてしまうのである。

技術ばかりではなく、細部へのこだわりも品質の保証となる。

彼は、自分のチームを自身で育てている。毎日朝9時の朝礼では、修復に注意すべき細部を繰り返し注意する。取材の時も、蔡舜任は修復室の状況をしばしば観察し、迷っている人がいれば説明に赴き、筆を手に取り手本を示す。工房には音楽を流さない。修復は動作、工程ともに仔細に考える集中力が必要だからである。

蔡舜任は高い標準を掲げ、チームに努力目標を要求し、修復技術士たちが自身の技術に自信を持ち、専門性を誇りに思えるように、チームとしての精神を強調している。

台南本部は使用を開始したばかりだが、空間は蔡舜任自身の設計となる。温度と湿度管理、ガラスレンガを用いた自然な採光に、専門的排気設備を備え、顔料や溶剤の揃った実験室も完備し、修復作業の細部まで大切にした設計である。蔡舜任の潔癖ともいえる要求があって、ケーブルの収納、ライトの位置、機材の収納など整理整頓されている。インスタグラムにアップした作業中の写真は、プロの姿を写しているので、どれもよく撮れていると笑う。

修復はブルーオーシャン

高い標準の確立から、台湾の修復作業の将来に話を移すと、「若いスタッフの将来が気になります」と、修復チームに目をやりながら、語気が重くなる。

修復の訓練により、蔡舜任は芸術と極めて近くなるが、そこには明確な境界線があり、理性的に思考する必要があると言う。蔡舜任は修復工程の背後にあるコスト、技術、知識を熟知しており、芸術に対する奉仕とは言え、ビジネスとして考慮しなければ生き残れないと感じている。

現状では、台湾の多くの修復業務は請負の段階に留まり、所有者の時間と経費に制限される。蔡舜任は会社の生き残りのビジネスモデルを考え、デザイナーにTSJのロゴのデザインを依頼し、制服を定めて、チームの専門性を際立たせた。また、経営者の必修科目として、毎日少なくとも10分を費やして、嫌いな経営管理や財務諸表の本を読むことにした。

台湾の修復作業は、調査やメンテナンスの思考を欠いていて、修復してもメンテナンスせず、傷んだら修復するサイクルを繰り返している。これに対し、アジアでも知られた規模のある修復会社としてTSJを位置づけ、保管、修復、輸送、設置、展示などの多方面のサービスを提供しようとしている。将来的には芸術及び文化財のメディカル・センターを目指し、修復に関する美術館の構想もあるという。

修復室のガラスには、蔡舜任のチームへの期待として「好きなことを行い、好きなものに価値を与える」と刻まれている。価値とは文化財の保護という意義に加え、ビジネス上の利益も意味し、長く修復を続ける契機としたいのである。

台湾美術史に欠けたピース

「私としては、これらの文化財(彩色の門神)を正々堂々と美術館の中に掲げたいのです」と蔡舜任は話す。

蔡舜任は留学から帰国し、初めて伝統的な門神の修復を手掛けた。お香に燻された表層を丁寧に剥がし、絵師の筆の生き生きしたタッチを目にすることとなった。その芸術的表現も廟のものだからと、長い間軽んじられ、芸術的価値を認められることはなかった。

長年にわたり固有の文化への認識が足りず、台湾美術史は今も価値評価の基準があいまいで、芸術的価値評価は専門家の手に握られている。しかし理論的な基礎を欠いているので、寺廟における作品のどれが真の芸術品なのかを判断できないのである。

しかし「芸術品として修復すれば、それが芸術品であると証明する論点の一つとなるかもしれません」と蔡舜任は言う。

文化財の価値を証明するには時間がかかるが、修復家にできることは、危機に瀕している文化財を時間の流れから取り返し、当初の姿に修復することである。蔡舜任とTSJチームは所有者の支持の下に、一点一点修復を続け、今後20年にわたって文化財を保護して、次の世代に優れた絵師の作品を残し、台湾独特の寺廟芸術を認知してほしいと考えている。さもなければ、文化財を劣化に任せて悔いを残すことになる。

「できれば、台湾の子供たちが自信をもって、一番好きな台湾芸術家の名を言えるようになってほしいのです」と、蔡舜任はその願いを語る。ヨーロッパに行けば誰でも答えられる質問なのに、台湾では芸術教育を欠いているため、答えが出てこないのである。

2018年に蔡舜任は台北万華龍山寺の依頼を受けて、三川殿の門神絵画を修復した。万華龍山寺は去年になってようやく「国定史跡」に指定され、台湾を訪れる外国人観光客が必ず訪れる場所となっている。

三川殿の門神は大家・陳寿آUにより1966年に制作され、六柱の門神はすでに60年近く寺を守ってきたことになる。だが、湿気を受け、西日に晒され、お香に燻され、損壊の程度はそれぞれである。今回、政府文化部は一般に修復工事の工程を理解してもらおうと、龍山文創パークに修復センターを設立し、ガラス越しに修復技術士の修復の状況を見学できるようにした。

台北は繁華の地で、人の往来も盛んなのだが、TSJチームが常駐する修復センターでは、静かに頭を下げ、腰を曲げて、ライトの下の手元の作業に集中し、時間との対話を続ける。

時間による洗礼は文化財の価値となる。彼らは青春をもって文化財の寿命と交換し、時間との果て無い綱引きを続けている。彼らは時間を遡る修復家なのである。

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Art Conservator Leo Tsai

Cathy Teng /photos courtesy of Chuang Kung-ju /tr. by Phil Newell

In 2014, Leo Tsai (a.k.a. Tsai Shun-jen) launched his “traveling with door gods” activity. He and his team had deftly restored four paintings of door gods made by the famous temple artist Pan Li-shui, after which they received endorsement from Inter­national Architectural Paint Research (APR) to exhibit the restored paintings in Sweden. This showed that there is international recognition of the restoration standards upheld by Tsai and his team. Amidst numerous images of the Virgin Mary, Jesus, and angels, it was the beautiful, brightly colored door gods that attracted the attention of the public. Visitors eagerly inquired where these works had come from, and the answer was “Taiwan.”

 


Leo Tsai, who lived in Europe and the US for nearly ten years, learned Western art restoration concepts and techniques before returning to Taiwan. He has partici­pated in the restoration of temple artworks by traditional painters including Pan Li-shui (1914‡1995), Ko Huan-jang (1901‡1972), Chen Yu-feng (1900‡1964), and Chen Shou-yi (1934‡2012), uncovering the refined and enchanting worlds produced by these masters in days gone by. Each piece has been beautifully transformed by his craftsmanship, which restored the original ap­pear­ance of these cultural artifacts while preserving the marks of their tempering by the passage of time, thereby allowing the next generation to see first-hand the homegrown Taiwanese art of temple painting. 

Handling the problem of “time”

“I feel for Doraemon. He often has to take the hapless No­bita Nobi back in time on his time machine. The problem he faces is that of going back in time, and mine is the same,” says Leo Tsai, selecting a humorous analogy for the work of an art conservator.

When Tsai was studying in the Department of Fine Arts at Tung­hai University, some of his own paintings got damaged, which gave him the idea to go and study at the Institute for Art and Restoration (Palazzo Spinelli) in Florence, Italy. While taking classes there, despite not being able to speak much Italian he went door to door looking for someone to take him on as an apprentice at a restora­tion workshop, asking only the opportunity to do more hands-on restoration work. After entering the studio of the internationally famous oil painting conservator Stefano Scarpelli, he was able to proceed to the Uffizi Gallery, where he worked on restoring paintings by Giotto di Bondone, considered the father of the Renaissance.

Despite his impressive resumé, Tsai ultimately decided to return to Taiwan, where he founded TSJ Art Restoration.

Before specialized restoration techniques were introduced into Taiwan, traditional temples mainly hired ar­tisans or artists to handle “restoration” work. However, this was less restoration than repainting the work, and once the brush had passed over the piece, the former art was covered up, and the feeling created by the passage of time was swept away. Later, the appealing but misguided notion of “restoring old objects to their old appearance” also caused damage to cultural assets.

“Time is ruthless. Materials will age, paint will change or fade. These changes are all caused by the passage of time, yet only with the tempering of time can good things appear,” says Tsai. The duty of a conservator is to apply their knowledge of art history and their understanding of materials to carefully clean impurities off the surface, consolidate the original paint where it has begun to flake, and fill and retouch the areas where the paint has been lost, returning the artifact to its original appearance while preserving the evidence of the passage of time.

Setting standards for restoration work

In Taiwanese temples, besides being exposed to a hot, humid climate, the paintings are often covered by a thick layer of greasy dirt from the burning of incense and candles. When you add in the habit of only initiating restoration after works show obvious signs of damage, the door god paintings that come into Tsai’s hands are mostly in a parlous state, peeling and mottled and on the verge of being irreparable.

But no matter how challenging the task, the TSJ team members always study the work in great detail to prepare for the task ahead. They first use solvents to carefully clean the work, and then, advancing millimeter by millimeter, they use a scalpel to carefully scrape off the dirt, and any paint that has been applied by repainting over the original work. Next they use filler to consolidate the existing paint, and use brushes to carefully paint color into areas where the paint has been lost, returning the door god to its former luster and radiance. It’s amazing how they can restore even the fine lines (less than 1 mm thick) of the door gods’ beards and whiskers strand by strand to vivid elegance.

Setting such high standards means that “many people surely sense that the bar is gradually being raised. But if you don’t do this, the victims are the artifacts and artworks,” says Tsai earnestly. Because the success of restora­tion is determined within areas of a single square centi­meter, the use of any inappropriate procedures or materials can cause irreparable harm to the artifact.

Quality comes from skills and technology, but also from meticulous attention to detail.

Tsai has personally trained his own team. At the routine video­conferences between his firm’s northern and southern branches every morning at nine, he sincerely reminds the conservators what details they must look out for in each of the restoration procedures to be conducted that day. During our visit, Tsai periodically checks out the situation in the restoration studio, and if any member of his team has questions or concerns, Tsai goes over and explains, or even directly takes the tools in hand to demonstrate the proper approach.

Tsai sets high standards and requires his team members to work hard to meet those standards, but he also periodically gives pep talks to his team, to build up their confidence in their own skills and their pride in their profession.

The Tai­nan headquarters of TSJ Art Restoration has not been in operation long. Tsai invited Lab B Design Company to work with him to design and build the workspace. Everywhere you can see his meticulous attention to the details of restoration work, from the temperature and humidity controls and ventilation system to the fully stocked laboratory with its paints and solvents. He fastidi­ously requires that the working environment be neat and well-kept, with methods and rules for everything from binding electrical cables to putting away equipment and materials. He quips that whenever he shares photos of the workshop on Instagram, every photo looks good, because this is what it means to be professional. 

A blue ocean market

From the high standards that he has set, the conversa­tion turns to the future of restoration work in Taiwan. Tsai says: “I am mainly concerned about where these young people will end up in the future.”

He is familiar with the costs, techniques, and know­ledge behind every brushstroke in the restoration process, and he also understands that ultimately, art services can only survive by taking account of market forces.

Therefore, most restoration projects in Taiwan are still handled as one-off contracts, limited by the time and funds available to the art owner. Tsai is already thinking about what business model will keep his company afloat. He has hired a designer to redesign the TSJ logo and corporate identity, and he has participated in the design of new company uniforms to highlight the profession­al­ism of his team. Each day he forces ­himself to read heavyweight books on subjects outside his discip­line (such as management or financial reporting), con­sider­ing these to be required subjects for managers.

The concept of restoration that largely prevails in Taiwan is still stuck within a mindset of not initiating conserva­tion until a work has badly deteriorated, and doing nothing to maintain works in good condition after they are restored. Tsai is already far ahead of his competi­tors, and he plans on making TSJ Asia’s largest and best-known restoration company, providing services that include storage, restoration, transportation, installation, and display.

Tsai’s expectations for his team are inscribed on glass in the restoration studio: “Do what you like and create the value.” Value refers not only to the significance of preserving cultural assets, but also to commercial profit­ability, which is key to restoration work’s long-term ­viability.

Filling a gap in Taiwan’s art history

“What I really want to do is to enable these things [door god paintings] to one day take their rightful place and be seen in art museums,” says Tsai.

The first time Tsai worked on the restoration of tradi­tional door gods after returning to Taiwan, it was only after carefully removing a dark layer of incense smoke residue that he saw the deft brushwork and distinctly vivid style of the master painter who had created them. But the artistic value of these magnificent works was under­estim­ated, all because they have long been deemed to be merely “things from a temple.”

Knowledge of Taiwan’s native culture has long been inadequate. While the art history of Taiwan is still in a phase of uncertainty, determination of what is art lies in the hands of academic experts. But without theoret­ical under­pinnings, the question of whether the works created by temple artists are genuinely “art” is still under discussion.

However, says Tsai, “I use the same methods to restore temple art as I use for acknowledged ‘artworks,’ and perhaps this can become a point in favor of confirming their status as works of art.”

Leo Tsai and the TSJ team, with the support of owners, aim to keep these artifacts around for the next 20 years. They want the next generation to have the chance to ap­preci­ate these masterpieces and get to know Taiwan’s homegrown temple art, rather than waiting until these arti­facts are badly deteriorated, and all that is left is regrets.

“I hope that one day the children of Taiwan will be able to say who their favorite Taiwanese artist is,” says Tsai. This question, to which virtually anyone in Europe can give an answer, is still hard for people in Taiwan to respond to because art education is comparatively weak.

In 2018, Tsai accepted a commission from Long­shan Temple in Tai­pei’s Wan­hua District to restore the door god paintings on the doors of the temple’s front hall.

The paintings were made by the master artist Chen Shou-yi, who completed the work in 1966. But through the impact of moisture, sunlight, and incense smoke, the paintings have suffered varying degrees of damage.

Here in the cradle of Tai­pei’s history, in a space where people come and go, you see the TSJ team hunkered down in the restoration center installed in the temple’s basement. There they quietly concentrate on their work under the lighting, heads down and backs bent, engaged in a dialogue with time.

It is time that makes classics out of cultural artifacts. The TSJ team, meanwhile, are devoting their youths to extending the lives of these artifacts, in an endless tug of war with time. They are conservators who travel back in time.

為修復設立標準

文‧鄧慧純 圖‧莊坤儒

2014年,蔡舜任發起「帶著門神去旅行」,4扇由知名廟宇畫師潘麗水繪製的門神作品,經過他與團隊巧手修復,得到國際建築彩繪裝飾藝術研討會(APR)認可,赴瑞典發表,除了讓國際社會知道台灣的修復技術外,也代表蔡舜任團隊一直以來堅持的修復標準為國際承認;在眾多的聖母、聖子、天使的環繞中,色彩繽紛華麗的台灣門神圖像一眼就吸引眾人的目光,與會者殷切地詢問這件作品來自哪裡?──台灣。

 


 

旅居歐美近十年的蔡舜任,習得西方的修復概念與技術,回到台灣。他參與修復潘麗水(1914~1995)、柯煥章(1901~1972)、陳玉峰(1900~1964)、陳壽彝(1934~2012)等傳統彩繪大師的作品,再現當年大師筆下雅緻綺麗的世界。蔡舜任修復過的作品,每一件都在他手上華麗轉身,恢復文物舊有的面貌,又保留時間淬鍊的痕跡,也讓下個世代能親睹台灣特有的宮廟彩繪藝術。

處理「時間」的問題

「我很能感同身受哆啦A夢的辛苦,他常因為要幫倒楣的大雄,必須搭時光機回到過去,他就是以時間回溯的方式解決問題,我也是。」蔡舜任打趣地比喻修復師的工作。

就讀東海大學美術系時,因為自己的畫作受損,讓蔡舜任興起念頭,遠赴義大利翡冷翠學藝,除了修習史賓內利宮修復學院內的課程,他用所會不多的義大利文挨家挨戶找尋能收他做學徒的修復工坊,只求有更多修復實作的機會。之後轉往美國爵士之都紐奧良,完成17世紀初的小公主肖像修復,這件作品讓他取得投入國際知名油畫修復大師Stefano Scarpelli門下的門票,進而得以進入烏菲茲美術館,修復文藝復興之父──喬托的畫作。

儘管擁有傲人的經歷,蔡舜任最終選擇回到台灣,成立TSJ藝術修復工事,修復的文物從西方的油畫擴展到東方傳統廟宇的門神彩繪,處理的文物不盡相同,「時間」始終是修復師的重要命題。

早期尚未引入專業修復技術的台灣,傳統廟宇10年一小修,20年一大修的慣習,多是請工匠、藝師處理,常有保存狀況差的作品直接被重繪,刷子一過,前人的藝術被掩蓋,時間的醍醐味也一併被抹除。晚近,修復界也曾經出現過「修舊如舊、復舊如舊」,一味復舊的做法,似是而非的概念,對文化資產亦是傷害。

「時間是無情的,材料會老化,顏料會變化褪色,都是時間造成的。時間同時也是無敵的,經過時間的淬鍊,才會有好東西出現。」蔡舜任說。修復師的任務是透過藝術史的知識、對材料的瞭解,閱讀時間在文物留下的線索,慎重地清潔表面的髒污,再以加固、清潔、填補、全色等工序,將文物恢復成原初的樣貌,但保留時間在其上淬鍊的痕跡。而且修復可說是一場與時間的等價交換,「基本上,我們是用青春去換取文物的壽命。」蔡舜任玩笑地補上一句。

為修復工事建立標準

初到義大利時,蔡舜任在Andrea Ciprian的工坊實習,兩年多無止境重建畫布肌理的練習,練就他深厚的基本功。之後又投入國際油畫修復大師Stefano Scarpelli的門下,成為唯一的台灣弟子,蔡舜任赤手空拳在歐洲全是金髮碧眼的修復同業中競爭而出,足見他對修復的用功與堅持。

回到台灣後,他仍以同樣的標準要求自己、面對待修復的文物。台灣廟宇的彩繪作品,除了承受高溫多濕的氣候外,常被馨香薰上厚厚一層油垢。再加上壞了才修的慣習,通常交到他手中的門神多是表面脫落斑駁,慘不忍睹,岌岌可危。

但不管任務多艱鉅,TSJ團隊總是細細考究,做足事前的準備功課,或以溶劑謹慎地清潔,或拿著手術刀以0.1公分為維度,慢慢清潔刮除髒污或不屬於原作的重繪,以填補材料加固,再用筆細細補色,讓大師手中的門神又恢復昔日的光彩,復原被污漬掩蓋的線條、細節與色彩,連門神不到0.1公分的鬍鬚細線,都一根根栩栩飄逸,讓人驚嘆。

立下這望之彌高的標準,「很多人一定感受到標準逐漸增高了,但問題是不這樣做,受害的即是文物,是藝術品。」蔡舜任語重心長地說。因為修復決勝的面積往往小於1×1公分的範圍內,任何不適切的工序、材料,都會對文物造成難以彌補的傷害。

品質來自於技術,也來自於對細節的講究。

他一手培訓自己的團隊。每天早上9點整南北分部的例會,耳提面命提醒各修復案必須注意的細節。採訪中,他不時盯著修復室裡的狀況,團隊成員一有疑慮,他便起身去說明,或直接拿起工具示範。工作過程中沒有音樂,因為每一個動作、工序都要仔細思索,極其專注,不容干擾。

就像是球賽裡的教練,蔡舜任設下高標門檻,要求團隊努力達標,也不時向團隊精神喊話,建立修復師們對自身手藝的自信、對自己專業的驕傲。

位於台南的修復總部剛啟用不久,空間是蔡舜任邀請一石設計共同設計打造。溫、濕度的控制,利用玻璃磚牆引入自然光源,專業的抽氣設備,各式顏料、溶劑齊全的實驗室,處處可見他對修復工事細節的講究。蔡舜任近似吹毛求疵地要求環境的整齊,從電線的收束,棚燈的位置,器材的收納,都有方法規矩,他笑稱在IG上分享的工作照,一定會怎麼拍都好看,盡是專業的姿態。

修復的藍海市場

從他立下的高標門檻,聊到台灣修復工作的未來,「我比較在意這些年輕人未來何去何從。」他一瞥身後的修復團隊,口氣略微嚴肅。

修復的訓練讓蔡舜任能與藝術極度靠近,卻又切出一條清楚的分界線,讓他理性思考。他知曉修復工序中每一筆背後的成本、技術、知識;也深切體悟藝術服務終歸必須考量商業機制才能生存。

因此,在國內多數修復工作仍停留在專案發包,囿限於業主有限的時間與經費;蔡舜任已在思索公司生存的商業模式,他請設計師重新設計TSJ的LOGO,包括整套的CIS企業識別設計;同時也設計公司的新式制服,兼具機能性與美觀,並以顏色區分資歷級別,凸顯團隊的專業性。他每天強迫自己閱讀艱深的書(包括經營管理、財務報表等),認為這是經營者的必修課題。

國內諸多修復的觀念,尚缺乏前置調查、維護的思維,仍停留在修後不保養、等壞了再修的循環中;蔡舜任已經超前百步,規劃TSJ要成為亞洲最知名且最有規模的修復公司,提供從作品倉儲(storage)、藝術品修復(restoration)、物流運輸(transport)、安裝(installation)、展示(display)等服務,未來成為藝術及文物的醫療中心,另外,尚有一間修復相關的美術館在他的腦中盤旋構築著。

蔡舜任認為打造專業的修復環境須從教育著手。時間回溯是複雜的問題,修復領域內人才培訓、專業認證、修復專業的定義、修復的標準、推廣教育等等,均是政府單位需著力之處。

在修復室的玻璃上,刻印蔡舜任對團隊的期望:「做喜歡的事,讓喜歡的事有價值。」價值除了文化資產保存的意義外,商業上的獲利,亦是修復得以走得長遠的契機。

為台灣藝術史補一塊拼圖

「我真正想要做的事情就是讓這些物件(門神彩繪)有一天能堂堂正正在美術館裡展出。」蔡舜任說。

回國後的蔡舜任,初次接觸傳統門神的修復,在他細細抹除被香燻黑的表層後,才看見大師的筆觸靈活,氣韻生動。但如此精彩的藝術表現,長久被忽視,藝術價值被輕估,這一切只因為長期被認定只是「廟裡的東西」。

長久以來對本土文化的認識不足,台灣藝術史尚在重建討論的當口,藝術的認定掌控於學院專家之手,但缺乏理論支持,宮廟裡面誰是真正的藝術家,尚莫衷一是。

但是,「我用修復『藝術品』的方式修復它,或許可以成為一個證實其為藝術品的論點。」蔡舜任說。

把文物的價值留給時間去證明,修復師能做的是在時間的手中搶救每一件岌岌可危的文物,回復其原初的樣貌。蔡舜任跟TSJ團隊在業主的支持下,要為下個20年把文物留下來,讓下一個世代欣賞到大師級作品,認識台灣特有的宮廟藝術,而非等到文物已殘缺佚失了,徒留遺憾。

「我希望有一天台灣的孩子能自信的說出誰是心中最喜歡的台灣藝術家。」蔡舜任說出他的心願。這個在歐洲幾乎每個人都能給出答案的提問,在台灣卻因為藝術教育相對薄弱,而難有答案。

2018年,蔡舜任接受台北艋舺龍山寺委託修復三川殿的門神彩繪。艋舺龍山寺去年剛得到文化部「遲來的肯定」,晉升為國定古蹟,是訪台外國旅客必遊的景點。

三川殿的門神彩繪出自大師陳壽彝之手,繪於1966年,算一算,6位門神已守護佛寺接近一甲子的時光了。但受濕氣、西曬、香火的影響,損壞程度不一。

在這台北發跡之地,人來人往匯集之所,只見TSJ團隊駐守在修復中心,靜靜地、低著頭、彎著腰,在燈光下,專注手上的工作,跟時間對話。

時間成就文物的經典,他們則用青春換取文物的壽命,一場無止盡與時間的拔河,他們是回溯時光的修復師。

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