大地は一冊の内容豊富な本に喩えることができる。地質を通して百万年単位の時間の尺度で、この土地の物語が読み取れるからだ。台湾特有の地質の美と資源は、いかに地域と結びつき、世界のジオパークに求められる「大地保全」「環境教育」「ジオツーリズム」「地域参加」という価値を実現しているのだろう。これが今月のカバーストーリーのテーマである。
今月号では、台湾北部海岸の野柳ジオパーク、鼻頭龍洞ジオ—パーク、雲林県の草嶺ジオパーク、そして台東県の利吉泥岩悪地ジオパークを訪れ、それぞれの住民と産業、観光、教育を見つめ、貴重な大地の資源と文化との驚きに満ちた関わりを探っていく。
* * *
政治大学の修士課程に学ぶ4人の学生が、コーヒーの売上をもとに、中南米やアフリカに7つの幼稚園を建設してきた。彼らは才知をもって起業し、収益をもって世界を変えるという夢を実現したが、その動力ときっかけは何だったのだろう。台湾のニガウリが多くの企業が使用権を求める農産物になっているが、そこにはどのような研究開発があったのか。創意の源は情熱であり、それは多くの人に貢献するという情熱でなければ長続きしない。
ベトナム出身の范瑞薔薇さんは、ここで生まれ育った人々以上に台湾を愛している。彼女はラジオ放送と紀行番組を通して台湾の美を多くの人に紹介している。創意と情熱こそ、彼らに共通する力であり、長い時間をかけてついに光を放つこととなった。
信仰に心の拠り所を見出し、生きるエネルギーを得ている人々もいる。八昼夜にわたる白沙屯媽祖の巡行では、信者たちの手の皺や眼差しの一つひとつに物語が読み取れる。それは台湾の庶民の姿そのものであり、田舎を訪れてこそ目にすることができる。
* * *
台湾には豊かな自然と歴史と文化がある。「樟之細道」は、「ロマンチック台3線プラン」の一環をなすもので、多くの人が未知の物語をつなぐために古道を探し、開いたものだ。一方、台9線では世界各地から集まった芸術家が20点のアート作品を創作した。南廻地域と外部とを結ぶ芸術の橋を架け、人々を台湾の最南端へと誘っている。竹塹(新竹)の「古」も魅力にあふれている。300年の歴史の痕跡が、都市空間の活性化と再利用によってかつての輝きを取り戻している。
今月の『光華』は、台湾の原始の地質や最古の古道へと皆様をご案内し、またさまざまな分野で創意を発揮してイノベーションを展開する人々をご紹介する。そこには、ニガウリと同じように無限の可能性が広がっている。